目次
内容紹介
恋の深淵、人生の別れなどを繊細に美しく描く古典は、日本女性の宝物です。夫の裏切りを憎みながらも、「椿の花のようにいとしい夫よ」とうたわずにはいられなかった『古事記』の磐姫。風光る5月のようにさわやかな清少納言。夢を抱きながら、平凡な主婦の座に生きた更級の女などの物語を10篇紹介。
もう何百年も前から、日本の女性たちが憧れや共感を持って大切に読み継いできた物語たち。恋の深淵や人生の別れなどを書くこれらの古典は、文学の遺産とも言えます。「愛にも精密なブレーキがいる」ことを教える古事記の磐姫の話や、「噂の渦中の女の真実を考える」和泉式部日記など、あなたの人生に触れるものがたりの数々を収録。 (Amazonより抜粋)
読んだ感想
引っ越す前に書籍を少し多めに買っていて、読んでいなかった本の消化を今行っているのですが、今回読んだ「乙女の古典」は素晴らしかったです。
元々、とても古典文学が好きなのですが、久しぶりに読むと、昔の女性の奥ゆかしさとか、言葉遊びや、美しい言動に学ばされるものがありました。
幼なじみで両想いになれて結ばれた夫が、他の女性走ってしまう。
でも妻はいつも笑顔で男性が他の女性の元へ通うのを送り出してくれる。
夫は妻が本当はどう思っているのかが気になって、他に男がいるのだろうか?などと思い、ある日女性の元へ行ったふりをして、妻の様子を遠くから観察をする。
すると、妻は見送ったあとに綺麗に身支度をして、ただ縁側でボーっとしながら歌を読む。
その歌の内容は、「こんな夜更けに暗い山道を通って、他の女性の元へ通うあなた。怪我とかしていないか心配だな。やっと幼い頃からの想いが叶って一緒になれたのだから、愛しい人に何も起こりませんように」みたいな。
怒りとか妬みとかないの、ただ案じて怪我をしていないか、無事に帰ってくると良いなって思っているその気持ちが凄い!
当然夫は急いで飛び出て抱きしめて「俺が悪かった~」なのだけど、こういうの凄く良いです♡
あとは、「秋には帰る」と言って去った夫を死んでも待っている女性の話とか、ありえない~。
でも、7年後に夫がお墓参りだけでもと戻ってきたときに、魂だけ姿を見せて、死ぬ前にもう一目だけ会いたかったです。
みたいなことくらいの恨み言を涙をこぼして言うとか・・切なすぎる(涙)
凄く美人な奥さんだったから、旦那さんがいなくなった後にやはり色んな男性からの声がかかったのだけれども、奥さんは旦那さん一筋だったから引きこもったまま直ぐに亡くなったらしい。。
源氏物語では空蝉の話とか、源氏に迫られても自立した女性である空蝉は、そんな一時の恋に身を任せたりはしないで、それこそバッサリと冷たくあしらうことが出来るのです。
それは理性で、その甘い言葉に耳を傾けても先が読めるが故。
でも、本当は少し流されてしまいたい心もあるけれども、でも隠しておく。
あとは、他にも一人の人だけを想って生きる女性の話とか、その話は清少納言の中宮定子(主人の女君)に対する想いも含まれているのです。
中宮定子は私は本当に大好きで、枕草子に出てくる歌のやり取りとかそういう言葉遊びって凄く現代の今でもしたくなります。
それこそ相手の機転とか賢さとかセンスが伺えるやりとりかなって。
例えば私がネット上で「私一生結婚出来ないかも・・」って昔つぶやいたら、それはツイッタ―だったのだけれども、異性のフォロワーさんで沢山の人が「俺が結婚してやんよ」って送ってきてくれるとか。
みんなセンスあり過ぎです(笑)
あの名シーンは20回は見て号泣しましたね(AB!の10話のゆいにゃんの回ね)。
私の理想はやっぱり、
「香炉峰の雪ってどんな感じかしら」って私が言ったら、
こんな感じでしょうか?って御簾を上げるようなやり取りがしたいって思う。
これは有名な枕草子の話で、中宮定子と清少納言のやり取りなのです。
その当時みなが知っている文書で「香炉峰の雪は簾を撥げて看る」って一節があって、それは皆知っていたけれども、いざ投げかけられても誰も答えられない。
でも清少納言は「あれのことね」って直ぐに分かるのです。
もう少し平安時代ちっくな女性の思考で物事進めて行きたいなって思いました。
奥ゆかしさの美学ってやっぱりあるなって改めて認識をしました。
待っていて裏切られても良いじゃん、待っている間、女性は女性同志で楽しく過ごそうじぇって思う最近です。
今月から、女の子と遊びまくって、静かに好きな人からの連絡を待ちたいなって思う。
幼なじみの人と結ばれた女性の話ではないけれども、ある人も言ってくれたけれども、あんなことがあって別れて頑張って今一緒にいることが出来て、やっぱりそう簡単に何があっても離れたくない。
だって、理想の相手が100だとすると、好きな人は一緒にいて、知れば知るほど150~200とレベルが上がるくらいに良いところが沢山あるのだもの。
時々の酷い言葉も(こいつ、もしや人間じゃないのか!!)って思う時があっても、他の人と・・ないです、まずないですね、それがもう想像出来ないし、考えられないし、そうなるくらいなら引きこもって古典文学の女性みたいに死ぬまで一人でいた方が良いねって感じだから、これは耐えてみせようホトトギス。
現代では「ありえない」って世界でも、古典文学の中では、平安時代とか昔は「当たり前~」の世界なのだから、日本人らしく私は待ちます。
死んでも待っていた女性のお話しは、待っている間に戦があって、疫病が流行ったり辛い毎日の中もずっと耐えて待っていました。
ってあったから「今みたいじゃない」って勝手に感情移入してしまいました(笑)
それでも大人しくネットでは愚痴るけれども耐えるって美学だと思います。
本人には言わないで接するって美学だと思います!
相手に対する理想を求めるよりも、自分で自分自身に対する理想を追い求めたいから、着付けとお茶と裁縫を独学で頑張ります。