多分本屋でジャケット買いをしたのが手元にある理由だと思うのですが、2007年に発行され、現在2017年の間に様々な本を売ったり捨てたりした中でこの漫画は手放せない一冊です。
目次
「ケロちゃん日和」の内容
何がそこまで私を魅了するかと言いますと、主人公は藍ちゃんという女性なのですが、少し他の女性より変わっていて、初恋の人がバルタン星人なのです。
そんな藍ちゃんがある日、大学の友人から数合わせで合コンに誘われます。
そこで、同じように数合わせで参加をした亮くんという男性に出逢います。
その合コンで亮くんはひときわ異彩をはなっていて、浮いていたのです。
男性の好みが少し人と変わっている藍ちゃんは即座にその男性を気に入ってしまい、連絡先を交換して仲良くなります。
その後に、初めて亮くんのお家に遊びに行くと、そこは本の山しかなく、雑誌やアイドルの写真集なども何もなかったのです(テレビも当然ありません)。
そして藍ちゃんは決めるのです!
「わたし・・・決めたわ。この男と結婚しよう」
誰かを本気で手に入れたいと思った藍ちゃんは、どんなライバルとの闘いも辞さないと思い切って彼の世界に飛び込むのですが、その世界には女の影など一つもなく、気付くとあっさり指輪をくれて、あっさり結婚をするのです。
お金がない二人なので、式はあげずに、家賃の安い田舎の一軒家を新居として暮らしだします。
この漫画の魅力はところどころで発する亮くんという人間の人柄だと思います。
不器用なのですが、出来る範囲で藍ちゃんに気持ちを伝えようとする。
仕事が忙しくて、藍ちゃんと殆どコミュニケーションを取らない亮くんに、藍ちゃんは不安に陥ります。
そんな藍ちゃんに亮くんは、
これですよ!
普段コミュニケーションを取らなくても、表現が下手でも、それでも出来る限りの感謝や気持ちをここぞという時にちゃんと伝える亮くんが素敵なのです。
この漫画の作品内は、全てが癒し系でのほほんとしている訳ではありません。
ちゃんと人生らしく、人間らしい悩みなども出てきます。
あと、この漫画を読むと、漫画なのですが、色んな恋愛や結婚の形があるのだなと思います。
今の時代結構周囲の目を気にしたりとか、人と比べて落ち込んだり、貼り合ったりなど色々あると思いますが、この漫画を読むと、自分たちが良ければ全て良いのではないかなとか、自分たちというよりも、自分の気持ちが一番大事なのではないかなと思います。
『ケロちゃん日和』内のセリフの数々
・わたしだって自分自身のスキルアップをはかりたい・・・というかキャリアが欲しいというか外に出てバリバリ働きたい気持ちはあるよ。今は仲がよくてもそのうちどうなるかわかんないし、いつか別れちゃう日がくるかもしれないし、そういうときのためにも仕事してたほうがいいのかなって思ったりするときもあるんだよ。でもこういう生活も楽しい。気に入ってるんだ・・・。ゆったりとした人間らしい暮らし。かけがえのないものって気がするの。お金にはかえられない
・問題がおきたときは悩むのではなく解決すべきなのである
・いろんな問題をいっこずつクリアしてそのうちやがて年をとって「ふう、つかれた~でもやっと休める。ありがとう。楽しかったよ」と言って人生にサヨナラをする日がくるんだ。ただぼくたちはいっしょうけんめい生きればいいんだよ
・悲しみをどんなに掘り返しても、そこには悲しみしかないんだよ
・こんな生活が幸せですか!?本当に幸せだっていうんですか!?こんなボロ屋に住んで、みみっちくサンマ焼いて、どこにでもいる妻と、どこにでもいる子どもかかえて。わかりました。そもそも、あなたがみみっちい男だから、みみっちい幸せでも満足できるってことなんですね!?つまりはそのていどの男だってことですよね?
・ちょっと待った!だまって聞いてればいちいち失礼な・・・勝手に決めつけないで。亮くんはこのままでステキなの。あたり前のことを幸せって思えることってすごいことじゃない。そんな人って貴重じゃない。わたしはそんな亮くんが好きなの。人からはみみっちい幸せに見えてもわたしは十分満足なの
・よく子どものうちから厳しくしつけなきゃという人もいるが、ぼくは反対だ。小さいうちはとにかく甘えさせてあげなければ。怒るのではなくなにが悪いのかを説明して注意してあげればいいんだよ