【スタマイ】荒木田蒼生 SR初披露の歌声Lv.60(不器用刑事の涙)※シナリオネタバレ

このキズナストーリーの荒木田さん、かなり荒木田さんという人の良さが滲み出ている気がして読んでいてキュンとしました♡

不器用刑事の涙

映画のセリフ『何でだよ・・・マメと一緒にいられなくなるなら、病気が治らなくてもいい!』

男の子の悲痛な声に、胸がぎゅっと締め付けられる。

(うっ・・・涙、出てきそう・・・)

鞄から静かにハンカチを取り出した時、ため息が聞こえた。

この映画は、心に傷を負った少年が、セラピードックのマメと出会った事で成長していくというストーリーで・・・

(荒木田さん、あんまりこういう感動モノとか興味なさそうだもんね)

ちらりと荒木田さんの方を見た私は、はっと息を飲んだ。

荒木田蒼生「・・・ぐすっ」

(嘘・・・荒木田さん、泣いてる・・・!?)

涙が溢れるのを拭うこともなく、まっすぐにスクリーンを見つめる真剣な表情。

(意外過ぎる・・・)

荒木田蒼生「・・・」

私の視線に気づいたのか、荒木田さんはこちらを見るとバツが悪そうな表情を浮かべた。

泉玲「あの、これ・・・」

私は手に持っていたハンカチを荒木田さんに差し出す。

荒木田蒼生「・・・悪い」

泉玲「いえ」

短く言葉を交わして、私は再びスクリーンの方に視線を移した。

エンドロールが終わり、場内の照明が灯る。

余韻に浸りながら、私は口を開いた。

泉玲「っ・・・すごくいい映画でしたね。マメと別れた主人公が、マメの孫と一緒にカウンセラーとして活躍しているラストが特に・・・」

(結局、私も泣いちゃったな・・・)

荒木田蒼生「・・・」

荒木田さんは何も言わずに下を向く。

泉玲「荒木田さん?」

荒木田蒼生「・・・その、悪かったな」

泉玲「えっ、何がですか?」

荒木田蒼生「だから・・・俺が泣いたせいで、映画に集中できなかっただろ。このハンカチも、あとで新品を買って返す」

その時、荒木田さんの頬が赤くなっていることに気付く。

(・・・今日は荒木田さんの意外なところばかり見るな)

泉玲「もう、何言ってるんですか。そんなの全然気にしなくていいのに」

笑いながら私はそう答える。

(こんなに可愛い人だなんて、全然知らなかった)

荒木田蒼生「でも、そういうわけにはいかないだろ」

泉玲「もう、顔を上げてくださいよ。私の方こそ、今日は荒木田さんに映画に連れて来てもらえてすごく楽しかったですから」

荒木田蒼生「・・・お前なぁ」

ようやく顔を上げた荒木田さんは、呆れたように微笑んで・・・

荒木田蒼生「笑い過ぎだ、涙出てるぞ」

泉玲「っ・・・」

荒木田さんは指先で、そっと私の目を拭ってくれる。

(本当は、笑ったせいじゃないんだけどな・・・)

ドキドキしていた私はそれを口に出すことができなかったのだった。