1話目「犬屋敷壱郎」あらすじと感想
奥さんからも子どもからも虐げられている男性。
念願のマイホームを一括で購入するが、その家さえも文句を言われる。
引越しの荷ほどきをしようと提案するも、男性を残して他の家族はファミレスにご飯を食べに行ってしまう。
男性は1人で荷ほどきをしながら、健康診断の結果を眺めるが、中身は「D」判定。
診断結果をポケットにしまって、一人分の出前を取ろうと電話をするが、ざる一枚千円と言われて、多分もっと安いものを頼もうと選び直す。
朝も満員電車で潰されて、職場でもあまり居場所はなさそう。
帰りの電車でDQNな高校生が地べたに座ったり好き放題に騒いでいて、本当は文句を言いたいが我慢をする。
帰り道に土手を歩いていると、犬が捨てられていて、男性は拾って帰る。
連れて帰ると、みんなが犬に文句を言う。
なので、男性は自分の部屋で犬を飼うことにし、花子と名付ける。
ある日病院で再検査を受けるが、胃がんでもって3ヶ月と言われる。
男性は家族それぞれに連絡をするが、誰も電話に出ない。
男性は公園のブランコで悲しみに泣く。
男性の年齢は58歳とのことだが、外見はかなりのお年寄りにしか見えない。
花子の夜の散歩中に男性は、家族はちゃんと話したら泣いてくれるのか?と花子を抱き締め散歩先の公園で号泣する。
そんな目の前に1人の高校生が立っていることに気付き、不思議に眺めていると、突然目の前で異変が起こる。
宇宙人?UFO?が何かをしたらしく、2人はどうやら死んでしまったらしい。
それに気付いた宇宙人は2人を復元しようとするも、パーツが兵器ユニットしかないということで、2人は兵器ユニットで元の姿に復元されてしまう。
目が覚めると男性は公園で寝ていて朝を迎えている。
いつもと違いなんだか口の中がイガイガしないし、なんかスッキリしているなぁという程度。
家に帰り朝食の味噌汁に手を付けるも、なにやら違和感を感じる。
酷く喉が乾くらしく、水を飲んでも飲んでも喉が乾くらしい。
今まで悩まされていた腰の痛みも消えて、レンズがないのに視界も広がっている。
病院に検査に行ってもレントゲンは真っ白で何もうつらない。
男性は歩いていて急に気分が悪くなり携帯を取り出し眺め、家に帰り突然ハンマーで携帯を壊す。
すると腕から湯気が出てきて、慌てて上半身の服を脱ぎ、花子に大丈夫だよ、と話しかけ花子が男性の手の平を舐めると、男性の身体は突然腕が変形をして腕から昨日食べたものが壁一面にぶちまけられる。
どうやら気持ちが悪かった原因は人間の食事が合わないらしい。
身体に違和感を感じてふと顎を触れると、身体のあちこちが顔を含めて変形して兵器かした身体が露わになる。
男性は公園で悲しみに暮れるが、涙も出ない身体になってしまったらしい、そのことに余計に悲観をする。
そんな時、こんな身体になる前に公園にいた若者を思い出し、あの若者も今ごろ悩んでいるはずだと会いたいと思う。
男性はふと耳を触ると色んな人たちの声が聞こえて、雑音に耳を塞ぎたくもなるも、その音の中に変な声を見つける。
耳にした声は、公園でストレス発散に若者がホームレスに花火をぶつけて遊んでいる声だった。
そのホームレスは仕事が決まり、やっと家族とまた一緒になれると喜んでいる矢先での出来事だった。
ホームレスは殺されることを腹に決めるも、目の前に男の人が現れてホームレスをかばい、花火を全身に受けた後に全身を野球のバットでボコボコに殴られる。
少年たちは頭をやったら直ぐに終わるからやめろと言いながらも笑いながら男の人の頭をバットで思いっきり殴り、倒れた様子を見て笑いながら、次はホームレスを殴りに行こうとしながら今度は足から殴って逃げれなくしてからやろうなどと笑いながら話している。
ホームレスは命乞いをするも少年たちは笑ってバットで殴ろうとすると、突然老人の身体が変形をして身体から大量の光が飛び出し、少年たち目掛けて光が攻撃をする。
少年たちは驚いて逃げ出すも、一部始終を男性は目の奥のカメラで撮らえて、少年たちのツイッターに全て動画をアップし、尚且つ渋谷の液晶画面やPCや、各自のTVまでもジャックし、2ちゃんに個人情報までも全て挙げられてしまう。
少年たちはそれを自分のスマホで見て、
「終わった。俺たち終わった」
と絶望的な顔をする。
その頃男性はホームレスの男性に助けてもらいながら、公園のお水をがぶ飲みしながら、ホームレスの人に本当に命を助けてくれてありがとうと感謝される。
帰ろうとするも、男性はふと自分の目から涙が溢れていることに気付く。
「僕は命を救った。僕が人の命を」
男性は再び涙を零し
「僕は人間だ。心のある人間だ。生きてる感じがする。犬屋敷壱郎だ」
と言い、1話目は終わるのだが、最初の冒頭の家族からの扱いに涙が出てしまった。
糞親とかならまだしも、とても良いお父さんだと思う。
もしも宇宙人に兵器にされていなかったら、この人の人生は家族のためや会社のために生きて終わっていたのだろうなと思うと、とても辛い気持ちになった。
今の世の中に実際にこういうお父さんは何人もいると思うが、そんなお父さんよりも遥かに家族のことを考えているフリだけして、自分のことしか考えていないお父さんは腐るほどいると思う。
私が見てきた会社員の男性というのは、仕事と称して飲み歩いたり、合コンしたり、女の子と遊んだり、さも自分は凄いかのように語りながら、弱者を虐めるような人間ばかりのような気がする。
電車でも満員電車なのに、電車の揺れでぶつかった相手にイチャモンをつけている会社員のおじさんは毎朝必ず1人は見かける。
だからこそ、こんな謙虚な人がこんな思いをしているのは辛い。
しかも、手に入れた力で人を助けようと思う気持ちと、助けられたと思う気持ちを抱くことに心の綺麗さを感じて、そのことにも涙した。
今後この犬屋敷壱郎さんがどのような活躍をするのか凄く楽しみな作品だ!
とりあえず人間じゃなくなったとしても、三カ月で死なないで良かった。
こんな良い人が生きててくれて良かった。
ちなみにこの作品の原作者はGANTZの作者の奥浩哉で、主人公の犬屋敷壱郎さんの声は、小日向文世さんがされていることでも注目の作品です。
今後どのようなお話しの展開になるのか続きが楽しみです。