犬屋敷一郎さんはロボット兵器になった自分の姿を見て、朝から嘆くも、
「これから多くの人の命を救っていくんだ。それが僕が人である証だ」
と心に決める。
2話目「獅子神皓」あらすじと感想
公園で同じようにロボット兵器にされた男の子、学校で虐めにあった幼馴染の家に行く。
名前は獅子神皓と言うらしい。
幼馴染は布団にくるまったままだが、獅子神くんは遠慮なく話し続ける。
「最近通り魔がここら辺に出て人が死んでるけど、犯人はお前ではないのか?学校に来ていない間何があったのか?」と聞く。
しかし直ぐになーんてねと言い、獅子神くんは友だちに
「お前GANTZ信者で人殺しの糞漫画ばっかり読んでるから」
と言う。
友だちは糞漫画じゃねーし、お前読んだことあるのかよと食ってかかるも、獅子神くんは読んだことあるしアマゾンでも2ちゃんでもボロクソ言われてるじゃんと言うが、友だちは
「ネットしか世界がないなんて、中身のない人間だな」
と獅子神くんに言う。
すると獅子神くんは、
「中身か…無いっちゃ無いけどね。俺さ、もう獅子神皓じゃないんだよね」
と言い、友だちの前で突然ロボット兵器化する。
友だちは驚いて、どうしたの?どうやったの?と質問責め。
獅子神くんは友だちに外に行こうと言い、外に連れ出し友だちにカラスを観ててと言って、指で銃を形づくりカラスを「バン」と口で言いながら打つ。
するとカラスは飛び立つが、獅子神くんは逃がさないと言いながらまたカラス目がけて指の銃を撃つとそれはカラスに当たりカラスはそのまま死んで地面へと落ちて行く。
その後も獅子神くんは友だちと面白いものを見せてあげると言って、目の前で電気屋のテレビのモニターの映像を全てAVの映像に変えたり、交通が多い道路で腕を振り上げたと思ったら、車同士をぶつけ合わせて大事故を起こしてみせる。
これには友だちもドン引き・・・もはや手品だよと言っていた獅子神くんの言葉をすでに信じない。
しかも、その後も友だちの家に帰った獅子神くんは友だちの目の前で上半身裸でロボット化したままの姿で爆笑しながら漫画を読むという強者。
獅子神くんはどうやらそんな自分の姿を友だちに見せて、俺よりお前の方が全然不幸じゃないんだから学校来なよと言いたかったようだが、友だちは自分を獅子神くんが殺すんじゃないかなど恐怖を感じるが、獅子神くんもそんな身体になったのなら、それを活かしてヒーローとかになるのはどうかと提案するも、獅子神くんは面倒臭そうと言って断る。
そして、友だちに
「お前をリンチしたやつを教えてくれたら、俺が殺してやる」
と言います。
友だちはそれはダメでしょと言うけれども、どうやら獅子神くんは本気のよう。
獅子神くんが帰った後、友だちは獅子神くんがそんなことをするわけがないとか色々と悩みますが、小学校の時に獅子神くんが
「ぶっちゃけ、友だちとか家族以外どうでも良いよね。死のうが生きようが」
他の友人がどういうこと?ということに関して
「自分に関係ない人間が死のうが生きようが関係ない。漫画とかアニメの中の人の方が全然死んだときショックかもしれない」
と言った発言を思い出します。
その頃獅子神くんは道路の真ん中で目を覆ってクルクル回っている・・・何をしているんだろう?ちょっと可愛いと思ったのも束の間、クルクル回り終わって目を開けた時に視界に入った家を見つめ「きーめた」と一言放ったあと、その家に向かって歩き出します。
そしてその家に入り、まず台所で遭遇したお母さんを指でつくった鉄砲で「バン!」と言って撃ちます。
倒れたお母さんの死体の傍に近寄った後も、何度も死体に向かって「バン、バン、バン、バン!」と言いながら撃ち続けます。
本人いわく、焦って殺しちゃったみたいです・・・全然そう見えないくらいに冷静で逆にそれが怖い。
その後、お風呂場に行き、お風呂に入っているお父さんと子どもの声が中でします。
獅子神くんはお風呂場に入り、お父さんに向かって指鉄砲を構えて「本物の拳銃だから何か言って」と言いますが、お父さんは何がなんだか分かりません。
しかし、獅子神くんがお父さんの背後の壁を指鉄砲で撃って穴を開けると状況を理解して、子どもを抱き締めて庇うように獅子神くんに背中を向けます。
何か言えと言い続ける獅子神くんに、お父さんは「何が目的なんだ?」と尋ねるも獅子神くんは「バン!」と言いながらお父さんの背中を撃ちます。
そんなお父さんに獅子神くんは「今どんなことを考えているのか?」と尋ねると、お父さんは涙を零しながら妻は死んだんですか?と聞いてそうだと聞いた後に号泣するお父さんを観て、獅子神くんは「なんかちょっときた」と嬉しそう。
完全にサイコパスって感じで怖い・・・獅子神くん・・多分描写が上手すぎるのかも・・・。
お父さんは号泣しながら「お願いします、お願いします、どうかこの子だけは」と腕に抱きしめて庇っている子どもの命ごいをしますが、獅子神くんは「ダメ、子どもも殺す」と言い、やめてくれと号泣するお父さんの頭を目がけて「バン!」と撃ち殺します。
撃ち殺された後、子どもはお父さんの死体が覆い被さり、その重みで湯船に沈められて溺れ死にます。
大事な息子を死んだあとのお父さんの身体が原因で殺してしまうとは、なんとも残酷な結果です。
そんな姿を観て、獅子神くんは
「生きてる。俺生きてる感じがする」
と何やら嬉しそうな表情で言います。
そこへ高校生らしき娘さんが帰ってきて、お母さんの死体を見つけて号泣します。
泣いて救急車とか言っている娘さんに「もう死んでるよ、だって頭撃ち殺したもん」と軽く言う獅子神くん。
そして泣いている女の子をよそに「どんな漫画読む?」と聞きます。
女の子が「ワンピとか」と言うと、誰が一番好き?と聞き、女の子が「ゾロ」と答えると、余計に嬉しいそうにテンションを上げる。
女の子は泣きながら「お父さんと弟も死んだんですか」と獅子神くんに尋ねますが、獅子神くんは「今関係ねーじゃん、今ワンピの話だろ」と言い、泣いている女の子の涙を指でぬぐい、「まじでワンピ好きなんだ」と・・・やたらワンピに食いつく!!
これを観た私はヤバイと迷わず思いました。
だって私ワンピ見ないし、正直ワンピ好きっていう人とは距離置くくらいにワンピが苦手だから、この女の子が私だったら真っ先に殺されるー!!!
そしてその後も獅子神くんは泣いている女の子の頭を撫でたりするのですが、女の子は泣いて「死にたくない。お願い、お願いします。死にたくない、死にたくない」と獅子神くんに命ごいをします。
そんな女の子を観て獅子神くんはメチャクチャ嬉しそうに「いいね」と言い、女の子の手のひらを指で切りつけます。
女の子は怪我した手の平を痛がって泣きじゃくります。
そんな女の子に泣き止まないと殺すと言う獅子神くんですが、女の子は冷静さを失ってそれどころではありません。
ずっと命ごいをして、泣き叫びながら獅子神くんを突き飛ばして玄関に向かって走り出します。
ちょうどその頃家に帰った犬屋敷壱郎さんは周囲の声を聞くために耳を触ります。
すると女の子の悲鳴や助けを求める声が聞こえたため、急いで車を出して声の方向に向かいますが、向かっている途中で獅子神くんの「バン!」という声とともに女の子の声は消えてしまいます。
事件現場に到着した壱郎さんが目にしたものは、玄関で殺された女の子の死体。
壱郎さんは助けられなかった自分を悔やみ、可哀想にと泣きます。
その後も家の中で殺されたお父さんたちの死体も見つけ、
「誰がこんなことを許さない」
と嘆いている矢先
「なんだ爺さんがまだ残ってたんだ?もしかして婆さんもいる?」
と声を掛けられます。
ここで壱郎さんと獅子神くんが初めて対面します。
そして獅子神くんは即座に壱郎さん目がけて指鉄砲を「バン!」と撃ち、壱郎さんは撃たれて吹っ飛びます。
そんな壱郎さんを通り抜けて獅子神くんは、飽きた様子で
「もういっか、帰ろ」
と家を出て行くのですが、歩いている途中で背後に気配を感じて振り返ると撃ったハズの壱郎さんが立っていて、驚いた表情で
「なんだよ、おまえ」
と言って2話目終了。。
1話目の犬屋敷壱郎さんは与えられた能力を良いことに使い、2話目の獅子神晧くんは悪いことに使い、何気にこのアニメに出てくる子どもはDQNが多くて、大人は何やらまともな感じに描かれているという最近では珍しい作品な気がしました。
ネットで目にするニュースなどを見かけると、確かに最近の未成年者はこういう感じが目立つ気がして・・・特に泣いている女の子へのワンピへの問いかけのところは凄く現代の人間を上手に表現している気がしました。
獅子神くんの言動はちょっと王様ゲーム(こちらを参照⇒『アニメ「王様ゲーム」1・2話を観ての感想 ※ネタバレあり』)みたいな残酷さですが、それと反比例の存在の犬屋敷壱郎さんがとにかく素敵に輝いて見える作品だと思います。
老いを劣化とやたら呼ばれる現代でも、お年寄りがこのように善良で素敵な人間という作品は今後の子どもの良いお手本にもなってなんだか良いなって思いました(憧れる大人が出る作品が正直あまりない気がしていたので)。
今後の犬屋敷壱郎さんの活躍が楽しみです。