あらすじ
舞台は今から2500年前のインド。人々はカーストと呼ばれる4段階の身分(バラモン(僧侶)、クシャトリヤ(武士)、ヴァイシャ(平民)、スードラ(奴隷)、更にスードラ以下とされカーストにすら含まれないバリア(賤民)[9][注 1])のもと暮らしていた。カピラヴァストウ(カピラ城)の王子ゴータマ・シッダルタはクシャトリヤの身分として、何不自由のない生活を送っていた。やがては結婚し、息子誕生と共に王位に就くことになる。しかし、幼い頃よりシッダルタは、「なぜ人は死ぬのか」「同じ人間なのになぜ身分があるのか」などの疑問を常に抱えていた。そして、息子が生まれた日、シッダルタは遂に僧としての道を歩み始めた。数々の苦難を乗り越えた末に、悟りを開いた彼はブッダとなる。シッダルタことブッダは生涯をかけ、人々を諭し、共に悩み苦しみながら進んでいく(wikiより抜粋)
読んだ感想
以前から住職さんが出している書物を読むのが好きで、読んだ後に自分の行いや過去や現在など常に考えさせられていました。
実際このサイト内の記事に関しても、消した方が良いと個人的に思っている記事は沢山あり、読んだ人が不快になっているだろうなと理解したまま残していたりしているものもいくつもあります。
ブッダの本を読んで感銘を受けたならば消しなさいと思うでしょうが、出来ないのは弱さなど人間の欲なのだとは思います。
住職さんの本を読みながら、現実の自分との生活と比べた時に、この人たちには会社員の辛さや立場の弱い者の辛さは分からない上で説法をしているのではないかと、本の内容に尊敬の念を持ちながらどこか現世の人たちにはモヤモヤを抱いておりました。
それこそ、ヒマラヤ山脈の教えなども、話していることは本当に素晴らしいのですが、どこか修行で苦行をしたことを伝えられても何かモヤモヤした感情は拭いされませんでした。
今回ブッダの漫画を読んだきっかけは、『聖☆おにいさん』の漫画内でやたらと登場するブッダがこの漫画を愛しているので気になったことが理由です。
実際読んだ感想としては、これが真の主導者なのだなとモヤモヤを抱くことなく受け入れ考えさせられました。
ブッダの私のイメージは、木の下で瞑想をして悟りを開いた人。
それが口々に伝わり、教えを広めた人。
私の中では王族出身のブッダは特に苦労をしていないイメージがどこかあったのですが、お話を読むと全然違いました。
教えを邪教と言い足を引っ張る人や、命を何度も何人にも狙われる。
お弟子さんには何度も裏切られ…それでも人に教えを広めることをやめなかった人。
どんな酷い人間にも弱っている人には寄り添い、助けてあげようと思う人。
過去にどんなに悪いことをしたとしても、改心をしてこれからどう生きるかによって全ては変わる。
人の運命は川の流れと同じで、決して止まることなく変わり続ける。
作品の中でも、未来の見える子どもに自分の未来を見てもらった王様が自分の子どもに殺されると言われて毎日怯えて暮らし、子どもと関わろうとせず、幽閉までしてしまう。
最後王様は子どもに幽閉されて、幽閉されたところで病にかかり身体も弱って息絶えてしまうのだけれども、決して子どもを恨むことなく自分の蒔いた因果故の応報だと悟って亡くなる。
この作品を読むと、御墓参りだとか先祖を敬えとお寺や色んなところで耳にするけれども、その教えよりも何よりも関わる人全てを大事にすることこそ大事だということを学ぶ。
祖先のお陰で自分が存在しているので、祖先を大切にすることは勿論だけれども、関わる人や物や生き物全てのお陰で自分は生かされているのだから、その全てに感謝を示さなければいけない。
親がもし毒親だったら?
それでも大切にしなければいけないのかと疑問に思う人も、この漫画を読んだら人それぞれの道があることを学ぶことが出来ると思う。
その親を見捨てて離れるのは決して悪いことではなく、離れた後も恨んだり憎んだりせずに、その相手の幸せを祈ることこそ大切なのかなと…。
宗教においてのお布施も、貧しい人からは本来取らないことも理解出来る。
普通の生活の中でお金が余っていたらお布施をしなさいというだけの話であり、貧しい生活の人もお布施をするようには書かれておらず、貧しい人は人のためにお金以外で出来ることをしなさいとのことなので、やはり今のお寺は何かとお金が発生するのは少し疑問の念を抱く。
どの宗教もダイバダッタのように組織や金銭などの力を得ることを目的としているように思える昨今、本当の教えとはこういうものだったのだなと思った。
この作品の中には色んな人間がいて、それぞれが苦しんでいて、それぞれの考えがある中でブッダの教えを支持する人と反発する人が出てくる。
自分にどの人物が当てはまり、今後の自分がどの人物になりたいかも見つけられる気がする。
今の自分、過去の自分に悩みを抱いてる人には是非読んでもらいたい。
決して内容は説教臭くなく、ブッダの言葉も物語のように語られているのでとても読みやすいと思うので、死ぬまでに一度は読んで欲しいとオススメしたい。