目次
あらすじ
祖父の家へ遊びに来ていた6歳の少女・竹川蛍は、妖怪が住むという『山神の森』に迷い込み、人の姿をしたこの森に住む者・ギンと出会う。人に触れられると消えてしまうというギンに助けられ、森を出ることができた蛍は、それから毎年夏ごとにギンの元を訪れるようになる(wikiより)
「蛍火の杜へ」を観た感想
劇場公開した頃に一度観て、凄く良かったと印象から再度久し振りに観た作品。
映像もとても綺麗なのだけれども、何度見ても良い作品だと思った。
人間に触れられたら消えてしまう妖怪の銀と、人間の女の子 蛍とのお話なのだが、杜に迷い込んだ蛍を妖怪の銀が助けてくれる。
本来ならば恐れて二度と踏み込まないであろう杜に蛍は杜のある祖父の田舎に毎年夏に銀に会いにやってくる。
人間に触れられたら消えてしまう銀は、蛍と歩くとき木の枝の端と端を持って歩いたりするのがまたなんとも可愛らしい。
小さい頃は何度伝えても銀に思わず抱きつこうとしたり、触れようとした蛍が毎年中学生になり、高校生になり成長して銀に会いに来る。
冬になれば雪が降ることを祖父に聞くと、帰り際にマフラーを銀に渡してまた来年と言う蛍。
学校でも夏になるのを指折り数え、銀のことを冬にも思い、銀も同じように蛍からプレゼントされたマフラーを巻いて雪の降る景色で想っているのだろう。
最初は蛍がいつ銀に触れてしまうかとハラハラ何度もしたのだが、成長した蛍は危ないことをして何度も手を思わず差し伸べそうになる銀に「何があっても私に触れないでね」と涙を浮かべて伝える。
高校生最後の夏に、蛍は銀に「来年卒業したらこちらで就職をするつもりだから、これからは夏だけではなく、秋も、冬もずっと一緒にいられる」と伝える。
すると銀は蛍に、妖怪たちの祭りがあることを告げ今までは子どもだったから連れて行けなかったのだけれども、ずっと一緒に行きたかったという。
2人で浴衣を着てはぐれないようにお互い手首に布を巻きながら祭りを堪能する。
祭りを堪能した後に杜を2人で歩いている時に、銀は蛍に「もう夏まで待てない」と伝える。
離れた後も蛍に会いたくて人混みを掻き分けてでも探しに行きたくなると…。
小さい頃からずっと銀と毎夏一緒に過ごし、お互いが同じ気持ちを抱いていたのだ。
蛍は、きっとこれが銀と会える最後の夏になるのではないかと思っていると、銀は蛍にお面をつけて、そっと頬に口付ける。
そして、そのお面をあげるという。
すると2人の間を子どもが通り過ぎる時に、転びそうになり思わず銀は倒れないように手を差し伸べると…その子どもは人間の子どもで銀は触れた指先から消えていってしまう。
消えていってしまうときに、銀は笑顔で蛍に「おいで、やっとお前に触れられる」と言い、蛍を抱きしめたまま消えてしまう。
切ないー!!!
ずっとお互いが触れたいと願い、最後消えてしまう辛さよりも触れられることを笑顔で喜ぶ姿とか…夏だけではなく、ずっとずっと一緒にいたいと思う気持ちの描かれ方などがとにかく丁寧で静かで切ないと思う作品だ。
文章でこの良さを伝えられない自分の文才の無さに今涙が別の意味で溢れそう。
今改めて観たら前と同じ気持ちで観れるのかな?と少し不安に思いながら観つつも、そんな心配まるでないほどに号泣してしまった。
号泣するのが良い作品というのではなく、切ない、本当に切ない。
そして、そのままお話が終わるのがまた切ない。
45分くらいと、それほど長くない作品なので是非切ない恋の作品を求めてる人には観て欲しいです。