映画『渦(2000)』を観た感想 ※ほぼネタバレ

目次

あらすじ

人生絶不調だった若き女性が、自ら起こした事故をきっかけに、さらなる不思議な運命の渦に巻きこまれていく(ネットより拝借)

「渦(2000)」ネタバレと観た感想

冒頭で血まみれの魚が語るところから入り、これ絶対にアメリカ映画じゃない!!と思って確認をしたらカナダの作品。

冒頭で「!?」ってなるのは大体アメリカ映画じゃないことが多い。

アメリカ映画は本当に作りが全て単純に分かりやすくできてるイメージ。

で、次の場面で女性が中絶手術を受けているシーン。

そして音楽とともに、中絶で摘出されたもの?をビニールと箱に入れて焼却するシーンからも絶対これアメリカ映画にはないと思って次が読めない。

友人の家に行った女性は、友人に中絶した回数を尋ねると、友人は「3回」と言い特に気にすることはないと慰める。

その後女性はトイレで吐き友人は「まだ身体が妊娠中だと思っている」と言う。

その後女性は友人と食事を食べながら、さっきの歌は何かと尋ねると「祖母が歌っていた優しい感じのする歌」だと女性に告げるが、次の場面では台の上で切り刻まれている血まみれの魚が「あの歌は決して優しい歌なんかじゃ…ぎゃー…あの歌は…ぎゃー…残酷で…ぐわぁー…恐ろしい…」みたいに話しながら切り刻まれ、生き絶え身体を真っ二つにされて「続く」と一言。

この展開はかなりツボに入る。

その後、女性はカウンセラー?男性に話をするが彼女が嘘をついているとバレ、むしゃくしゃしてお酒を飲んで車を運転。

そして歩行者をはねてしまってそのまま走行。

するとまた魚登場して「殺す者は殺される」

その後女性は寝て起きた後にひき逃げしたことを思い出し、現場に行くが死んだ魚が落ちいただけだった。

ひかれた男性は血を流しながら家に戻るも、座ったままブツブツと何かを言って死ぬ。

その後友人と車で出かけようとすると、魚の匂いがして洗車をして家に帰るが一人は嫌だとクラブに行き、出会った人と酔ったノリで性行為。

中絶したことを気にしていた様子だから避妊は忘れない。

その後、友人と食事をした後に女性は、電車内の新聞で自分がひいた人間が死んだことを知る。

地下鉄で見知らぬ男性に人を殺したと告げると「なんの問題があるのか?」「人は誰でもいつか死ぬ」「自分が犯人なら誰にも言わない」と言われ、証拠隠滅で車を海に処分しようとするも、途中で海に転落せず失敗をし、自ら車に乗って海に突っ込んで生き残るか否かの博打をする。

見事生き残る!
その後彼女は新聞で葬儀の時間を調べて葬儀場に行く。

そして息子に隣人だと嘘をついて仲良くなり、轢き殺した相手の職場に息子と一緒に向かうのだが、行った職場でみんなでお酒を一口 口にしては一人づつが「君の父さんを殺した者が苦しみにのたうちながら死ぬように」「犯人にむごたらしい死を」「はらわたを引き裂かれ犬に食われるように」「捕まえたら殺す」と残酷な言葉を発するので、女性は目が泳いでしまう。
最後には一匹の魚をさばいた後に「犯人はやがて死ぬ」とまで宣言される。

その後、轢き殺した相手の息子と轢き殺した相手の家に行き、遺品整理の手伝いをする。

遺品整理中に息子さんは毛糸の帽子を女性に被せて「これだけがブードゥーの呪いを受けていないから」と言う。

遺品整理が終わった後に、女性は男性にノルウェー語が分かるかと聞き友人が歌っていた曲の意味を尋ねると「兄弟よ敵の首を引きちぎれ 頭蓋骨で酒を酌み交わそう 腹を裂いて内臓を食らおう」という歌詞らしく、友人が言っていたみたいな優しい歌でもなんでもないことを女性は知る。

その後息子さんがタクシーに乗るのを見送り、別れる。


が、ダッシュで追いかけて飛行機に乗る直前の息子に「忘れ物よ!私はあなたと寝たい」と宣言して自分の家に連れて来る。

主人公どこまでも怖い、というか勇気があるというかメンタルぶっ壊れてる。

なにやら大女優の娘とかのプレッシャーで虚言癖などがあるらしいのだが…。

轢き殺した相手の息子と寝るとは恐ろしい…当然寝た後に息子に「父の隣人じゃなかった、り君は誰なんだ?」と訊ねるが、男性って必ず寝た後に聞くのは賢者タイムで冷静になるからなんですかね。

そして女性は隣人じゃないことを認めると、男性は「愛してる」と突然言うので、女性は判断が早いと言うのだが男性はダイバーの決断は早いんだと言い(息子の仕事はダイバー)再度「愛してる」と言うが女性は「私を知らない」と言うが男性は寝てなんか相手の全てを知ったつもりになったのか、誘われて有頂天なのか聞く耳持たずーで、一日中ベッドの上でイチャイチャをするのだが。。

朝起きて男性は冷蔵庫を開けると何も入っていなかったために、食べ物を買いに行くが、レジ横にある新聞を見て、新聞だけを買って帰ってくる。

寝ている女性に新聞を見せて「君は天使だ」と言い、女性はなんのことかと見たら男性が乗るはずだった飛行機が墜落をして乗客全員死亡の記事が載っていたのだ。

男性は起きてからも女性にすり寄って好き好きアピールをするが、女性は「やめて」と言い泣き出してしまう。

そして男性に多分告げたのだろうなという描写から男性は船から海を眺めるシーンに場面は変わり、その後一人でお酒をバーで飲みながら知らない男性に「父を殺した女に恋をした。どうしたらいい?女は俺に殺されたがってる」と訊ねると、「なんの問題があるのか?」「女は死にたがってるだ。結婚をして後は口を閉ざせ、特にバーでは」と言い去っていくのだが、以前女性が地下鉄で相談した見知らぬおじさんという、凄い偶然!!

そして男性は父親の遺灰を「どこでも同じだ」と言いながらトイレに流そうとするも、泣きながら流せない。

そして寝ている女性の上に遺灰をぶちまける。

ぶちまけられた女性は悲鳴をあげて飛び起き、男性は酔い潰れて寝たまま。

男性が寝ている間に女性は掃除機で遺灰を吸って箱に戻す。

当初は遺灰になる前に元船乗りだった父の遺体をそのまま海に戻してあげたかったと言っていた男性だったが、数週間後ノルウェーの海の上で、二人で船の上から轢き殺したお父さんの遺灰をばら撒く。


最後また台の上で殺されながら魚が「存在の偉大な秘密を、明かすだけの時間がない、人間はみな…」と話している途中で首を切られて死んで映画は終わる。

思っていたのと最後が違う!!

最終的に主人公の女性を呪いの言葉通りに様々な現象が苦しめて罰を受けて女性が死んで終わりだと思ったのに、何故息子とハッピーエンド!?

因果応報はー!?
因果応報を説く映画だと期待したのに…なんだかとてもモヤっとはしたが、全体的にテンポやスピードや時間も含めて面白かったので、これはこれで見て良かった。

改めて再度冒頭を見たら、魚のグロさに驚愕して魚のセリフを真面目に聞いていなかったのが、話しの結末を勘違いした結果と判明。

見終わってから再度最初に戻って映画を観ると、少しバズ・ラーマン監督のロミオ&ジュリエットを思い出した。

最初に既に

素晴らしく美しい物語

と魚が言っていたのを真面目に聞いて「これは美しい物語なんだ!」と思ってみたら、美しい作品なのかもしれない。

勘違いを起こして因果応報の制裁をされる話と思ったが故に、こんな結末望んでいなかったーーーと思った私が悪かったです。

だけどそうなると、途中で魚が発言をした

殺す者は殺される

これは、女性に対してのように描かれながら、実は魚をさばいて殺していた男性に向けての言葉だったということになる。

女性が最後にハッピーエンドで見事生き抜いたのは・・・。

死ぬ人にはそれぞれ意味があるという説があり、誰かにとって人として成長をするために必要な存在ならば、人はこの世に存在し続けるらしい。

一度女性は海に飛び込んで生きるか死ぬかの賭けを起こして見事生還する。

それは後々に出逢う息子にとって必要な存在だからということなのかもしれない。

理不尽だが、轢き殺された男性は職場ではある程度の地位にいても、仕事以外での人が成長をするために必要かと問われたら、そこまで必要ではない存在だから消されてしまったのか。

実際に息子の話だと、他人と全く関わらなかったとのことなので・・・先日ネットのニュースで拝見した友だちがいない人間が早く死ぬ確率が多い理由はここにもあるのかもしれないと思った。

途中で流れる曲や歌の歌詞や、魚の説明なども斬新に思えたりして、結構このD・ヴィルヌーヴ監督さんの作品は今後注目もしたいと思えた。

ちょっと普段とは違う変わった作品が見たい人にはおススメの映画。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

オススメ記事▼