『縁切り死』について NHKクローズアップ現代(9/18放送)

『縁切り死』初めて耳にする人が多いのではないでしょうか?

私自身も初めて耳にしたので、どのような内容なのかとても興味がありました。

NHKクローズアップ現代(9/18放送)『縁切り死』の放送内容

今、身元がわかるものを持たずに自殺をする人が増えているそうです。

身元が分からない=行方不明者との特定ができないということもあり、

現在の身元不明遺体の数は2万人にもなるそうです。

番組は冒頭で警視庁鑑識課の男性が聞き込みをする場面から始まります。

東京都内で遺体で見つかった男性の身元がひと月経ってもわからないため、男性の特徴などのチラシを渡し情報提供を聞き込みとともに呼びかけていました。

チラシには『私を知っている人はいませんか』の文字とその人の特徴が紙には書かれていました。

今年の2月にはハンカチだけしか所持していない女性が水死体で発見されたり、都内のマンションでは高齢の女性が飛び降り自殺をしたそうなのですが、どちらも誰かわからないままだったそうです。

番組は東京巣鴨にある遺体の身元を特定する、警視庁の専門チーム『身元不明相談所』に1年密着取材をしたそうです。

番組内で身元が分かった人、2名を対象に親族や身内の人を訪ねて確認をするのですが、自殺をした人の親族を2名ともどちらも信じられないという様子でした。

身元が分からない人の多くが、周囲に何も言わずに突然姿を消していたそうです。

そしてなんの縁もない場所で、一切の縁を切るように亡くなっていたそうです。

身元不明の70歳の女性

ある女性は都内の電車の駅で、電車に飛び込んで亡くなったそうです。

携帯電話やお財布などの所持品は何もなかったそうです。

遺体の損傷が激しかったため、専門の捜査官が似顔絵を作成をして、全国から寄せられた約8万件のデータから照合をしたそうです。

そして2ヵ月後に一人の女性の顔の特徴が似ていることや、歯型の鑑定も一致したことにより発覚したそうです。

北関東で行方不明届が出されていた70歳の女性だったそうです。

その後、行方不明届を出していた自営業の60歳の男性の元へと確認をしてもらいに行きます。

男性は女性と30年余一緒に暮らしていたそうです。

2ヵ月前に女性が突然いなくなり、探し続けていたそうです。

似顔絵を見た時は似ている気がするがなんとも言えないとのことだったのですが、遺体の写真を見て頂くと本人だと確認していました。

男性は突然姿を消して寂しかったこと、何か言ってくれたらと泣いていました。

女性がいなくなったのは、一緒に買い物をしている時に、トイレに行くと言って男性に財布を預けたまま行方不明となり、行方不明になったその日に電車に飛び込んで自殺したそうです。

二人は飲食店を営んで営んでいたそうで、バブル景気の頃はとてもお店は繁盛していたそうです。

しかし景気の悪化で閉店し、仕事を転々とする男性を女性は支え続けていたそうです。

最期に紅葉を見に二人でドライブをして、笑顔で紅葉を眺めていたそうです。

行方不明になった時、自宅にメモが残されており「さがさなくて良い、お金がかかるから!」と書きだされていたメモだったそうで、周囲の人には病気で入院していることにして欲しいとも書かれていたそうですが、自殺の理由は書かれていなかったそうです。

身元不明の67歳の男性

あるは男性は都内のビルで飛び降りをしたそうで、九州で行方不明届けが出された男性に似ているということで捜査員は九州へ足を運びます。

行方不明届を出した女性は男性と10年余連れ添っていたそうです。

その男性の遺体の特徴には胸にがんの治療の医療器具が埋め込まれていたそうです。

そして身に付けていたTシャツが行方不明届けの写真と一致したそうです。

女性は「自殺する勇気はない」と言っていて「自殺勇気があればな」とも話していたそうです。

男性は地元の高校を卒業後に就職をして結婚、3人の女の子を育ててきたそうです。

そして40代になった時に離婚、その理由を男性は周囲には話さなかったそうです。

仕事も辞めて職を転々としていたそうです。

そんな時に親しくなったのが行方不明届を出した女性で、2人は旅行に出かけるのが好きだったそうです。

男性は亡くなった時に着ていたTシャツがお気に入りだったそうで、いつも着ていたそうです。

男性はすい臓がんが見つかり、女性の話のよると1日の診療代が5万円ほどかかると伝えており、治療費の心配をしていたそうです。

女性は何を考えて死んだのかと、泣きながら話していました。

がんの診断から半年後に男性は遠く離れた東京で命を絶ちます。

男性は亡くなった時にポケットには20万円ほどの現金とメモが入っており、メモには「このお金でひっそりと火葬してください」と書かれていたそうです。

作家 平野啓一郎さんが語る「縁切り死」

番組内では専門家の精神科医の香山リカさんや、作家の平野啓一郎さんにお話しを伺う場面もありました。

※作家 平野啓一郎さんとは
京都大学法学部の在学中(1998年)に、1年を費やして『日蝕』を執筆して『新潮』に投稿。新人としては異例の一挙掲載がなされ、「三島由紀夫の再来」と喧伝されるなどの華々しいデビューを飾り、翌年の1999年には、当時最年少の第120回芥川賞を『日蝕』の作品で受賞する。

代表作:『日蝕』(1998年)『葬送』(2002年)『決壊』(2008年)『マチネの終わりに』(2016年)などがある

作家 平野啓一郎さんが考える「縁切り死」の背景をこう話していました。

最期には自殺した人として印象に残るのではなくて、

良かった関係のまま、その人の心の中に残りたいっていう気持ちもあるんじゃないか。

ある理想を抱いてしまっているためにすごくプレッシャーになっている。

言いたくないことを言わないとか、好きだからこそ黙ったままでいるとか

非常に複雑な感情があるのが、本当の人間関係だと思う。

そういう人間の複雑さに対して繊細な感受性を持って

優しく見守るっていうような態度をもっと身につけるべきじゃないか

番組を見た人たちの反応では、この『縁切り死』を特集したことにより、真似して死ぬ人が増えるのではないかという声も見受けられました。

『縁切り死』についての感想

番組を見ての感想ですが、私個人も夫が先に亡くなったら同じような死に方を希望していたので、他にもいたのかと思いました。

まだ私は人生折り返し地点の年齢ですが、死んだ時のことを考慮して荷物は減らして終活は既にすすめていて、最後死ぬ時にこっそり自分がいなくなった時に残された人が荷物の片付けに困らないようになどの配慮はしたいなとは思っています(そういう意味ではミニマリストの人はいつでもその準備ができていて尊敬します)。

理由としては、私個人が自分の実家と縁切りをしており、夫が亡くなったら夫の親族が私のお葬式なり色々とすることを考慮すると、戸籍上では家族でもいくらどんなに仲が良くても、他人は他人なので迷惑はかけたくないというのが本音で、夫が先に亡くなったら夫にも無縁仏で良いとはずっと最初から話しています。

映画の『嫌われ松子の一生』でも松子の死後に親戚が遺品整理で松子の部屋を訪れるという描写を見た時から、死後に迷惑をかける流れや、知らない人に何かをしてもらうのには何かもやっとした気持ちがあり、最近命の足あとという作品内でにも迷惑をかけない死は存在しない゛というのを読んで、ますますその感情は大きくなりました。

残された人の気持ち・・・周囲で何人も亡くなった経験があり、それは祖父母だったり、親戚だったり、同級生だったり、身近な知り合いだったり、同じ職場の同期だったり様々なのですが、私は他人ではないので他の人の気持ちは分からないのですが、自分自身が普段それほど関係を大切にしていないけれども大切だと自分は思っている存在ほど、相手が亡くなった時に自分自身が「わーわー」と泣いているなと客観的に見て(自分自身を)思うのです。

芸能人の死を見ても、普段それほど追っかけなど真剣にしているわけでもなく、新譜を毎回買うとか出演番組を毎回チェックしているとかなどの相手よりも、それほどファンでもない人間の方が騒いでいるような気がするというか・・・人の死っていつも誰が亡くなっても、一番身近の人はお葬式では泣いていないことが多くて・・・私自身もお葬式で泣くときはそれほど生前相手を常に一期一会だと思って接していなかったことが多いなって思うことが殆どでした。

ある知人が自殺をした時も、友人は遺族に「なんで相談してくれなかったんだ」と号泣していましたが、詳細に話を聞くと1週間ほど前から何度か着信があったそうですが、出たくないから出なかったとあるとき話していました。

けれども本人はそれが自殺の原因の可能性とは思っていなかったように、また普通に涙を零している姿はちょっと怖かったです。

最近読んだ『遺書』という作品でも、クラスの人気のある女子生徒が自殺をしてクラス全員に遺書を残します。

クラスの人は、何故彼女が自殺をしたのか分からないという様子だったのですが、フィクションでも結構現実もそんな感じだと自分は思うのです。

上手に説明できないのですが、結構生きている中で人との関わりを常に一期一会だと思って接する人は少ないように思えます。

相手の年齢がご年配だったり、体調が優れないなどならば状況は別かもしれませんが、人の死って常に隣合わせのような気がして・・・だけど、それを自覚していない人が多いなって。

そして殆どの人が都合の良いように相手を認識して解釈をする。

だからこそ、自分が死んだ時に残された人がどう思うかと私自身が考えた場合・・・どうも思わないかなって。

また勝手に都合良く解釈をして一人で泣いたり色々生きている時と同じように何か言うのだろうなと思うのです。

「自殺する」と相手に伝えても、「止めるのが普通」というのが世間の常識だから止めるだろうが、その止める行為に自殺願望の人の意志や気持ちは含まれていないような気がする。

最近お亡くなりになった樹木希林さんの残した言葉の中にも゛死ぬときくらい好きにさせてよ゛という言葉がありましたが、本当にこの言葉が全てなのではないかなと思います。

「死ぬときくらい好きにさせてよ」

人は必ず死ぬというのに。

長生きを叶える技術ばかりが進化して

なんとまあ死ににくい時代になったことでしょう。

死を疎むことなく、死を焦ることもなく。

ひとつひとつの欲を手放して、

身じまいをしたいと思うのです。

人は死ねば宇宙の塵芥。せめて美しく輝く塵になりたい。

それが、最後の私の欲なのです。

樹木希林さんは別に縁切り死についてを語っているわけではないのですが、私は今「死」というものの考え方はこれが一番自分の考えに近いかなと思うのと、「縁切り死」もこれに近いようにも思えます。

「死」って病気になったからとか、年を取ったからという時に考えるのではなく、心身元気な時にこそ真剣に考えるべき問題なのではないかなとも思います。

しつこいけれども、死は常に隣合わせで、毎日私たちは死んでいっているので。。

番組を見て何を思うかは人それぞれなので、何が正しくて何が間違えているなどと断言するつもりは全くなく、私個人は国に迷惑をかけるが税金を払っているのだから、それも尊厳死の一つとして受け入れて欲しいなというのが正直な感想でした。

ネットの反応

いくら親しい友人でも、肉親ですら大変な死後の手続きや遺骨の受け取りなど、気軽には頼めない。

私のような独身・子なし・低所得な中年女は、「せめて人生の最期は、誰にも迷惑をかけず全てを捨てて逝きたい」と一度は考えた事はあるだろう。

縁切り死は、ギリギリで選択した尊厳死だ。

要は現代人は孤独な人が多いんだと思う。 そして、特に誰かに必要ともされていない。 故にひっそりと姿を消したいし、誰にも身元を明かしてももらいたくない。弔ってもらおうという気もないんですよ。

意図的に姿を消そうとしてるんだよ。 探してもらおうとも思ってない。 むしろ探して欲しくもない。 それを探そうとする家族、警察。 思いは相反する

クローズアップ現代で縁切り死の特集してるけどこんなの昔からあったやん 発禁になった自殺マニュアルにも昔の死亡例としてでてたし まぁ認知症でってのもあるだろうけども でもわざわざ知らない所で身元かくしてなくなったんなら身内捜すのやめてあげてほしいかも 知られたくなかったんなら死後位は

縁切り死ねぇ・・・私を探さないでください、を全うできるもんなんだな。まあ、保管してる方は迷惑だろうが。

今日のクローズアップ現代は 「縁切り死」 身元がわかる物は一切持たずに本人と関係ない場所で亡くなった人達 身元不明遺体は全国に約2万 病院に運ばれて処置をしながら我々が頭に浮かぶのは「この人の身元は?」 つい、救急隊や警察に早く身元わかりませんか?と言ってしまうが、それは酷なこと

縁切り死・・・。 自殺も遺族にはショックだが 全く縁もゆかりも無いところで 所持品も残さず命を絶たれたら ショックははかりしれないだろうな

縁切り死か 正直気持ちすっごいよくわかる しがらみとか全部断ち切って一人でひっそりと死にたいんだよね 身内に迷惑掛けたくないし 行政には申し訳無いけど税金納めてるし、金は残すから最後の始末だけお願いしたい

戦前のような大家族の家族制度も既に崩壊しているし、一部の幸せな家族を除いては、孤立化・孤独化してるんですよ。人はそれが心地よくもあり寂しくもあえう。だから最後はそっと姿を消したい

誰かが身近に居るから、仮に家族だから、と言って、 そこに愛が溢れ、信頼が存在しているとは限らない。 根底に孤独を抱えている人がいかに多いかということ

NHKで縁切り死の特集をしている。 遺族や知人は「もっと相談してくれれば…」とよく言うけど それが出来たら自殺なんてしないんだよな

クロ現の縁切り死の特集見てるけど、橙子さんの言葉を思い出した。何かを伝えるつもりがない死はその死すら明らかにする必要はない。だけど飛び降りという死は、それと矛盾する。死そのものが遺書めいてしまう。俯瞰風景の

縁切り死。 なんていうか…、死ぬ方はいいかもしれないけど、残された方は辛いなあ。いろいろ考えてしまいそう…

クローズアップ現代の 縁切り死を見ている。 本当に現実的な問題だと思う。 見ていて切ない。

縁切り死。 悲しすぎる。 死ぬには理由があったんだろうけど、ほとんどの人が、周りに喜ばれて生まれてきたはずなのに、なんでこんな最期を迎えなければならないんだろう。 震災の時の行動の素晴らしい国民性と、国の、国民の豊かさは比例しないんだなぁ

縁切り死 …初めて知る言葉。 孤独死、孤立死、餓死、縁切り死、…て、どう考えてもいい世の中じゃないよね。これ以上、救いのない死の名前が増えないようにしなくては

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

オススメ記事▼