『”息子を檻に監禁”父の激白』について NHKクローズアップ現代(9/20放送)

本日のクローズアップ現代で取り上げられた内容なのですが、今年の2018年4月頃にニュースに取り上げられた『息子を檻に25年以上監禁した父親』という衝撃的な事件の加害者の父親から話を聞くというもので、障害者がいる家庭の現状というものが特集されていました。

個人的に、とても考えされられたので番組の内容を掲載したいと思いました。

まとめるのがあまり得意ではないため、少し長くなりますが、よろしくお願い致します。

NHKクローズアップ現代(9/20放送)『”息子を檻に監禁”父の激白』の放送内容

この高さ約1メートルの檻の中に長男は25年以上監禁されていたそうです。

写真にぼやけて写っているのが長男だということなのですが・・・

拡大されて番組内で紹介された画面ですと、こんな感じだということなのですが・・・。

どういう状況で写真を撮ったのだろうと思ったのが個人的感想でした。

番組では兵庫県三田に住んでいる、事件の加害者になった父親(73歳)が監禁場所だった自宅で話を聞かせてくれるそうになったそうです。

衝撃的だったのが、監禁場所なども丁寧に案内してくれたことです。

加害者の父親はお家の庭に建てられた長男が監禁されていた、4畳半ほどのプレハブ小屋の中を案内してくださいました。

この中に檻を作って監禁していたとのことです。

今年の4月に逮捕をされた父親は「暴れるために仕方がなかった」と供述したそうです。

裁判では”監禁罪 懲役1年6ヵ月 執行猶予3年”の有罪判決が下されたそうです。

今回初めて父親が取材を受けた理由が「監禁に至った事情を知って欲しい」と言う流れからだったそうです。

やはり加害者である父親もずっと「果たしてこれで良かったのか」「ほかに方法はなかったのかをずっと考えている」「いまだに答えははっきりと出ていない」と語っていました。

42歳の長男は監禁が発覚した後、施設に保護をされ、今は24時間体制で専門のスタッフのケアを受けているそうです。

テレビでぼかしが入りつつも映される息子さんの姿は、42歳と表示されていてもまるで子どものような雰囲気で幼く感じました。

加害者の男性は29歳の時に結婚をして建設会社に勤め、4人の子どもを育ててきたそうです。

長男が2歳の頃に初めて長男が成長しても会話ができないほどの重度の知的障害者だと知ったそうです。

男性は長男が小さい頃の写真が丁寧に貼ってあるアルバムを見せてお話しをする様子は、とても父親なりに大切に育てていたことが伝わりました。

週末ごとに長男を連れて家族旅行に出かけていて、穏やかな日々を過ごしていました。

しかし長男が13歳の頃に異変が起き、突然母親や弟たちの腕を噛むようになります。

噛まれ方は結構酷かったそうで、父親は安心して仕事に行けないと思い、小さい弟たちに何かあったらと思い、それをとにかく防がなければと思ったそうです。

両親は一時的に預かっている施設を直ぐに探したけれど”空きがなかった”そうです。

そこで家族と長男をどうやって離し暮らす方法を大工さんと考えて「座敷牢」をつくったらと言われて作ったと話していました。

そして父親は自分が留守の時は長男を檻に入れるようになりましたが、成長するに連れて暴力はさらにエスカレートをし、ガラスを割ったり、大声を出して暴れたりなど押さえつけるのも困難になり「やめなさいと言ってやめるような子ではなかった」「年とともに辛かった」と父親は話します。

この頃、父親は自宅を訪問した兵庫県三田市の職員に長男のことを相談をしたそうで、その記録も残っていました。

記録には”どうしても用事がある時は一室に閉じ込め、外からかぎをかけている”と書かれていましたが、市は特に問題だと考えなかったとのことです。

そして監禁はその後25年以上も続いたそうです。

父親は長男を2日に1回しか外に出さなくなり、食事や入浴ができるのはその時だけだったとのことです。

檻の高さは約1メートルで立ち上がることも出来なかったそうです。

檻の中にはペット用のトイレシートを敷いていたそうです。

番組スタッフ「人権侵害 監禁をしたという自覚はありますか?」

父親「善いか悪いかでいうと、善いこととは思わない」「じゃあ1人の障害者の生活のために、ほかの5人の生活を犠牲にするんですか」

事件が発覚して長男は入所できる施設が見つかったそうです。

毎日食事も摂るようになり、体重も増えているそうです。

長男は監禁中に片方の目を失明しており、もう片方の目も殆ど見えていないとのことです。

障害者支援団体の声

「社会は父親に同情的になってはならない」と障害者支援団体は主張しているそうです。

「障害者が被害に遭うときは、ずっと親も大変だったということが付きまとうが、そう言ってしまえば簡単なんですよ」

「監禁を防ぐことはできなかったのか?」第三者委員会の調査結果

「当時の組織 管理体制にも問題があり、当時は組織として機能していなかったと言わざるをえません」

25年前の当時、父親と面談をした職員の音声内容とは

当時の市の職員が第三者委員会に話した時の記録

職員「本当に申し訳ないが、記憶にないのが現実なんです。お部屋で鍵がかかるところに(障害者)を入れている方はたくさん当時はいたんです」

市の幹部「当時はそれが何とかしないといけない状態という認識ではなかった。引継ぎを受けたほうもアプローチをせずに待ちの姿勢だった。当時も今も変わらないけれども、行政のスタンスとしては現状はやむをえないと思う」

三田市役所 市長はこの件についてどう思うのか

三田市 森哲男市長「これは市民の代表でもある市長として今度は非常に責任を感じています」

第三者委員会 谷口泰司委員長はこの件についてどう思うのか

第三者委員会の谷口泰司委員長によると「ほとんどの自治体が受け身というか何もしていないのと同じ」と語ります。

「家族も限界を迎えているし(障害者)本人の人権も無視されている。どこにでもいるということだけは忘れないでほしい」と語っていました。

『息子を檻に約25年』事件、対応してこなかった自治体の問題とは

裁判の判決では長男の尊厳を著しくないがしろにする行為で、到底許されないとし、一方で支援体制の整備が十分ではなかったことも要因だと指摘されたそうです。

対応してこなかった自治体の問題とは、今の仕組みでは障害のある人は「精神科病院・障害者支援施設」「ショートステイ」「訪問介護」の支援を受けることができます。

自治体はこうした支援に繋げる役目を担っているそうです。

第三者委員会によると三田市が今回その役割を果たしていない理由について、「職員間で情報共有や引継ぎがされていない」「自治体は”受け身”積極的な対応をしていない」との問題をあげ自治体の支援が十分に受けれていない実態が浮き彫りになったそうです。

精神障害者・知的障害者を持つ7000人の家族にアンケートを取った結果

精神障害者や知的障害者を持つ7000人の家族にアンケートを取ったところ、約7割が日常的にストレスを感じていて、抑うつ状態が高いことが明らかになったそうです。

障害者を支える家族、苦悩の末”共倒れ”

愛知県豊田市に障害のある弟と暮らす男性を訪ねます。

自動車関連の工場で正社員として働いている将裕さん(32歳)。

5~6年前からこのような状況で、基本的には一日中ずっとこういう状況だと話します。

5歳下の弟さん(27歳)は、知的障害と自閉症があり、他人と会話をすることは、殆どできないそうです。

母親は家を出て行き、父親は6年前に病気で亡くなり、兄弟二人が残されたそうです。

その後から弟さんは暴力的になったそうです。

時には外出をして警察にお世話になることもあり、その度に兄である将裕さんが頭を下げて謝ってまわったとの話しておりました。

「いつもトラブルがないように願っているが、やっぱり不安はある。閉じ込めたい気持ちは正直ある。だけど閉じ込めるわけにはいかない」と語ります。

弟さんは家の天井や床を次々と壊していき、将裕さんは眠ることもままならなくなり、人付き合いも減ったそうです。

将裕さんは「(兄弟)お互いに普通の暮らしができればいい。一緒にいるのではなく別のところで環境が違うところでお互いに」と話していました。

2年前に将裕さんは豊田市に相談をしたそうなのですが、担当者に「調査に伺う」と返事以降連絡はなかったそうです。

「何故対応をして来なかったのか?」

番組が豊田市に取材した直後に将裕さんに市から連絡があったそうです。

「弟さんのことでお話しがある、一度市役所で説明させた欲しい」

その後、市は自宅を訪問し弟の状況を確認した上で将裕さんに話合いの場を持ったそうです。

市はこれまで将裕さんに連絡をしなかったことを謝罪、弟さんに関しては

「弟は地域で問題なく暮らしている。施設への入所も望んでいない」と説明したそうです。

3時間続いた話し合いに将裕さんは現状から抜け出せないと感じたそうです。

「限界ですね、正直いうと。疲れきっているような感覚なんで、幸せとかそんなことは考えたこともないです」と話します。

この後、将裕さんは睡眠不足で食欲もなくし、うつ病と診断されて入院となり、これを受けて市は弟を施設入所の措置を取ったそうです。

兄が入院となり、初めて事態は動いたということになります。

この後番組では専門家の方も交えてお話しをすすめるのですが、そちらは端折らせてください。

家族が入院や体調を壊したり限界まで追い詰められないと動いてくれないというのは・・・この問題に限らないようにも思えました。

それについての話はまた別の時に話そうと思いますが、とても考えさせられる内容で、これが正解と何も言えないのが感想でした。

私はこのような世界を知らなかったので、同じように知らない人に少しでも知って欲しいと思います。

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