韓国漫画「バスタード」を読んだ感想、衝撃なラストに鬱になること間違いなし ※ネタバレ含む

元々はXOYという無料アプリで連載されていた韓国の漫画「バスタード」

「俺のウチには殺人鬼が住んでいる」

ある日からXOYのアプリから削除されて、LINE漫画で読めるようになりました。

XOYの時にかなり話題になった作品(読んだ後、鬱になるのでも有名)というだけあって、毎日お話しの続きがとにかく気になる作品でした。

韓国漫画「バスタード」最後まで読んだ感想 ※ネタバレ含む

読み進めるとかなりハマってしまい最後まで読んだのですが、衝撃的なラストでした。。

最初読んでいた時は、作品自体がお父さんが人殺しでそれを手伝わされている可哀想な主人公という視点で描かれていたのでそうなんだなって思って読んでいたのですが、最後まで読むと息子を溺愛しているお父さんのお話だったというか…。

正直読んだ後に私自身は考えさせられてしまった。

お話の中でのお父さんが、食事をする、趣味を楽しむ感覚で殺人をすることは間違いないのですが、主人公が幼少期に偶然そのことを知り一緒に殺人を「楽しいこと」と思って参加をしていた。

そして、それをお父さんは嬉しく思って、主人公が高校生になっても一緒にしていたのは、手伝わせていたというよりは息子と楽しい時間を過ごしていたに過ぎなかったという。

なんともどこまでもすれ違いな気持ちというか、認識のすれ違いというか。。

主人公は片目が見えなくて心臓や身体も普通ではないのだけれども、それは幼少期に父親に病院の屋上から落とされたのが原因だったのですが、実はこれも記憶のすり替えで人殺しを小さい子どもの段階で楽しんでいる主人公に気付いた母親が主人公に人を殺してはいけない理由を

「殺したお姉さんたちにも家族がいて私たちと同じだから、そのようなことはしてはいけない」

と説明するのですが、主人公は知らない人だからお母さんたちと同じに思えなんて同じではないと言う。

お母さんは怯えて息子を屋上から落として殺そうとしてしまう。

つまりは、殺そうとしたのはお父さんではなく、お母さんだった。

そして殺されたと思っていたお母さんは生きていて、お父さんも結局身内だから殺せなかったと思いつつも、お母さんを愛していたから殺そうとも思わなかったのではないのかなと…。

お父さんが息子である主人公の周囲の人間をチェックするのも、ただただ息子が可愛くて心配なだけで、主人公が好きになる女の子も最初はお父さんが殺したい好みの女の子の容姿という理由でチェックしつつも、息子がその子を好きだと分かると息子に相応しい人間なのかひたすらテストをしていたに過ぎないというか(少しやり過ぎだが)。

主人公が仲良くなった唯一の友だちの真下くんに関しても、結局お父さんが目にした時に真下くんが主人公を裏切って殴ったりの言動をしていた故に、いつか自分の息子をこいつは裏切ると見据えた結果、家族もろとも殺そうとしたのかなと…。

真下くんが主人公を殴ったり試したり変なことをしなければ特に殺されるまでにはならなかったのではないかとも推測。

最終的にお父さんがブチ切れて殺す原因になった、あんたの息子の両足も自分同様にしてやるとかの言葉も煽りではなく本心だと思うのだよな…なんだろ?真下くんは何かあれば裏切る人間なのだと思うし、お父さんもそれに気付いたから排除したのだと思う。

そんな幼少期から歪んだ感覚の主人公が転入生の女の子を好きになって変わっていく話でもあるのだけれども。

最終的にはお父さんは自殺をして、主人公は自首をして少年院に入り、主人公が好きになった女の子は出所するのを待つというハッピーエンドなのか否か分からない終わり。

ただ、主人公が殺人犯だと知っても、お父さんが殺人犯だと知ってもそれでも離れず好きでいてくれる扇ちゃん(女の子)は素敵だなと思う。

可愛いのでかなりモテながら、主人公が出所するまで数々の男性を振り続けながら待つという。

ちゃんと大学にも通って、、真面目に生きながら、生き残って意識を取り戻した真下くんの妹さんも支えてあげてる感じも本当に素敵な女の子だなと。。

リアル世界では裏切る女の子が殆どだと思うし、貧しい暮らしの中で真っ直ぐに純粋に汚れない、甘えない、僻まない、妬まない心も素敵に思えた。

私の母親も毒親で歪んだ思考の持ち主なのだけれども、この作品を読むと毒親は毒親なりの歪んだ子どもへの愛が存在するのかなとか、話し合ったら実は理解できたりするのかなとか少し考えてしまった。

主人公のお父さんの主人公の気持ちが、途中までただのサイコホラーのような怖い気持ちしかなかったのに、最後はただただ辛く悲しい気持ちにしかならなかった。

実際、お父さんが真下くんに言った言葉も、弱いいじめだったり喧嘩して殴った相手にしても、たまたま相手が死ななかっただけで相手が死ぬ可能性もあること、それと自分がしていることは同じというのも妙に納得できてしまった。

お父さんは確かに殺人鬼だけれども、イジメやパワハラなどで人を自殺に追い込む人や会社も殺人鬼と対して変わらないという言い分は本当にその通りで…。

とにかく色んな意味で読んで良かった作品でした。

ライン漫画で全話読めるので是非機会があれば読んでみて欲しいです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

オススメ記事▼