映画『アズミ・ハルコは行方不明』を観た感想 ※ネタバレ含む

あらすじ

街中に突如現れた女の顔のグラフィティアート。無差別で男をボコる謎の女子高生集団。OL安曇春子が失踪した事件と関係はあるのか?“アラサー・ハタチ・女子高生”三世代の女性たちの生き様を浮き彫りにした青春サスペンスラブストーリーが展開する。グラフィティを拡散する“キルロイ”のポップでスパーキングなアートは人々を魅了していった。様々な人間関係と時間が交錯するなか、やがてアズミ・ハルコが行方不明になる原因が紐解かれていく事になる

(wikiより拝借)

「アズミ・ハルコは行方不明」を観た感想

オトコ狩りをする女子高生だったり、同級生や身内の男性に裏切られる女性だったり、職場のおじさんに馬鹿にされる年配の女性だったり、必ず女性ならば誰もがどれかに共感できる作品なのではないかなと思った。

作品内でオトコ狩りをする女子高生と遭遇して、声をかけたら「一緒にくる?」と言われるのだけれども蒼井優さんは「私女子高生じゃないから」って言って背中を見送るシーンがあるのだけれども、ここに何か歳を重ねていくたびに女性は無敵じゃなくなる感じというか、自分自身が不敵に思えなくなって守りに入っている気持ちになってることに気付いた。

このシーンだけではないな、多分作品のあちこちに今の自分や働いている時の自分、そして若い時に働いていた時の自分や、男性と付き合って酷い扱いを受けた自分だったり、女子高生だった時の自分だったり。。

作品のあちこちに私の過去が散らばっているような気持ちになる作品だった。

オトコ狩りをする女子高生が最初に蒼井優さんに遭った時に「男に復讐をしている」というシーンも、私も最初に付き合った相手に酷い目にあった後に全ての男性を憎んで同じ思いになるような振り方だったり傷付け方をし続けてたなとか…若さって不敵だったんだなって忘れていた過去さえも思い出してしまった作品だった。

そしてタイトルの『アズミ・ハルコは行方不明』蒼井優さん演じる役がアズミ・ハルコで、同級生の男性がオトコ狩りに遭ったところを助けた流れで身体の関係になるのだけれども、その男性が前から憧れていた既婚者の女性と不倫を始めて自分たちの関係はなんだったのかとか色んな気持ちが溢れでるのに相手の男性にウザがられる言動を取られる。


その行方不明のアズミ・ハルコのポスターをある若者がアート作品の版画みたいな感じでスプレーで田舎の街中に描きまくって話題になる。

そのアート作品をやっていた男性に高畑充希さん演じる女性は寂しさから構ってちゃんになるのだけれとも、途中でウザがられて連絡が取れなくなってしまう。

そして出逢い系サイトで待ち合わせで同級生が来て逃げた先の掲示板に2人がアート作家のような紹介をされているチラシが貼られてるのを見て多分取り残された気持ちや馬鹿にされた気持ちや色んな感情が煮え繰り返ってしまったのだと思う。

2人が手掛けた誰も来ない遊園地の会場で2人の作品を壊しまくってる時に行方不明の蒼井優さんが幻覚として現れて、色々質問をしてくる。

高畑充希さん演じる女の子は「辛くて死にたい」とか色々辛い気持ちを吐き出すのだけれども、それに対して蒼井優さんは「行方不明の女の子たちは殺されたりしてるんじゃなくて、どこかで笑って幸せに暮らしてるんじゃないかな」みたいなことをいい、そうして暮らしても良いんじゃないかという。

そして数日後に高畑充希さんはコンビニ前で先輩の女性が海に行くとオープンカーに浮き輪などを詰め込んでるところに遭遇して「一緒にくる?」と言われながらも「秋なのに行くんですか!?」って言いながらも行くことを決定すると高畑充希さんに「これ後輩」と紹介された女性が先輩の赤ちゃんを抱っこした蒼井優さんで挨拶をしつつも高畑充希さんビックリ!!という感じで映画は終わるのだけれども。。

家族に買い物を頼まれてそのまま離婚して地元に戻って来ていた友だちの家に住まわせてもらっていたというのが行方不明届が出された理由のようなのだけれども、このくだりもなんだか分かるかなと、とにかくどのシーンも私はなんだか過去を見させられたかのような気持ちで作品を見てしまいました。

しかも最後まで(笑)

実際私は結婚して名前が変わってから変わる前に交流のあった人間は殆ど切りまくって関わらないようにしているし、そもそも今住んでる住所は誰も知らない状態だったり。

過去を消したいとか、誰も知らないところに行きたいとか、女性ならばあるのではないのかなと思ったり。

男性の職場での女性の扱いのリアルさも半端ない!

事務の女性は手取り13万〜17万で男性は100万もらってるとか、本当にそういう職場で私も働いたことがあって、給料の値上げを交渉したら「金持ちの男性と結婚すれば良いだろ」と普通に言われるとかあるあるだったり、年齢が増すにつれて若い女性には優しく、年配の女性に対する扱いが酷いとかもあるあるだったり・・・あまり邦画は観ない方で感情移入もあまりすることは少ない気がしていたのですが、かなりこの作品は観て何か忘れていたものを取り戻した気がしました。

女性よ、逞しくみんな男性に頼らず生きましょう!!

そして少し気持ちが弱っていたり男性に依存してる女性や男性に苦しめられてる女性にも観て欲しい作品だと思いました。

最近心身壊していて寝込む日々が多くて、そのせいで気持ちも塞ぎ込んでいたのですが、この作品を観てこのままではダメだなって元気をもらった気がしました。

良い作品で、観て良かったと思いました。

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