映画『羊の木』を観た感想 ※ネタバレ含む

あらすじ

元受刑者を地方都市に移住させるという国の極秘更正プロジェクトで、過去に凶悪犯罪を犯した11人を受け入れることになった魚深市。元受刑者の情報は市民には一切知らされず、魚深市の中で計画を知るのは市長・鳥原秀太郎と、その友人である月末一と大塚武の3人のみだった。

(wikiより拝借)

「羊の木」を観た感想

人を殺して更生する人もいればしない人もいるということなのだろうか。

一瞬人当たりが良くてコミュニケーション能力がありそうだったり、それこそ普通の人に見える人ほど身体の中に飼っている獣の凶暴さは大きいように感じる。

見た目が怖いから、それこそ元ヤクザの人などは更生をしても雰囲気から滲み出てる人も現実にも中にはいるけれども、それだけでは本当のその人は分からないというか。。

以前勤めた先である上司が「過去に人に言えない大きななにかをやらかしてる人間ほど、私みたいな感じの人間だから、叩いたら多分一番会社内で凄いものが出てくるぞ」と何かの時に笑いながら言っていて、私はその場では笑って「そんなわけないじゃないですかー」とか言いつつも、なるべくその上司を警戒するようにしたし、近付かないように気をつけた。

この作品を観て思うことは、自分の中にいる獣を消そうと努力をする人を引き出そうとする人間がこの世にいて、果たして人を殺す人と、それを引き出そうとする人と、どちらが本当に悪いのかということも考えさせられる。

以前現実の身近であった話なのだが、人を殴った罪などで刑務所に入っていて仮釈放中の人を怒るように煽って自らを殴るように仕向けて、慰謝料を支払うように仕向けた上に、再度その人が刑務所に入るように仕向けて笑っていた人がいたらしいのだが・・・殴ったり相手に危害を及ぼすのは確かに良くないことなのは事実だが、そのように仕向ける人間が罪にとらわれないというのは妙に気持ちが悪い話でもある。

我慢できない方が悪いし、人を殺すのは良くないけれども、そういうきっかけを作る人間にも何か罰は与えられても良いのではないのか。

作品内では最終的には殺されるので、ある意味殺されることが天罰にも私は感じたが・・・。

作品内ではもうこれが俺だから、殺人鬼として生きてくみたいに松田龍平は言いつつも、平穏に普通に穏やかに本当は過ごして生きたかったんじゃないかなと思ってしまう。

私は前科者でもなければ人を殺したことも勿論ないけれども、この作品を観て松田龍平の役に感情移入をしてしまった。

それを邪魔する人を映画内で松田龍平は殺してしまうけれども、それを我慢して抑えてる人間もこの世には沢山いると思う。

そして、お腹の中でそんな凶暴な獣を飼ってる人間ほど、必ずそんな見た目などはしていないような気がする。

そして周囲はその穏やかそうだったり大人しそうな外見を舐めて調子に乗った言動をその相手に行う。

最後、ずっと松田龍平を友だちと言ってくれていた錦戸くんの首を絞めるのをやめて一緒に海に飛び込んだ理由は…この地元の神様に罰をしてもらいたかったのかなとか。

本当に罪を償いたいって二度と罪を犯したくない人と、何度刑務所に入っても何も思わない人がこの世にはいて、それを見極めるのは難しいのかなって。。

それと同時に、世の中には言い方がキツイ人もいるけれども、その中には愛がある人とただ人を傷付けたいという二通りの人間がいて、それも結局は一緒に居続けないと見極められないということもあるのではないかな。。

ただ、自分の中の獣が暴れ出しそうになった時など、自分の身近に1人でも自分を信じてくれる人がいるだけでも何かそれこそ元ヤクザのおじさんのようにストッパーだったり何かになったりもするのではないかなと思ったり、本当に考えさせられた。

この映画内で選ばれた元殺人犯の役者さんは結構豪華キャストで、女優の人だと優香さんと市川実日子さんが殺人犯として登場するが、2人の殺人の罪も結構特殊だった。

優香さんが役柄を演じる女性の夫は、性行為の最中に首を絞めるのを好む人で、ある日あまりにも力を込め過ぎて絞めすぎてしまって殺してしまったというもの。

市川実日子さんが役柄を演じる女性は日常的にDVを加える男性と一緒にいて、正当防衛だったような内容だったと思う。

どんな理由があっても殺さなければそれほど罪には問われず、殺したら殺人は殺人者でしかないというのはあまりにも辛い話だなと感じる。

結局最終的に観て思うことは、以前私が書いた内容の「因果応報」弁護士が語る実際にあった話が怖すぎる! この内容なのだと思う。

法律で裁かれなかったりする罪は神が必ず罰する。
これなのかもしれない、そしてこれであって欲しいって思う。

人を殺していなくても傷付けた人など、追い詰めた人もいつか天罰が下り、誰もが必ず少しでも救われる世界になれば良いのに・・・。

かなり個人的には考えさせられた映画ではあったので、興味がある人は是非観てみてください。

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