映画『ゴッド・セイブ・アス マドリード連続老女殺人事件』を観た感想 ※ネタバレ含む

映画概要・あらすじ

年老いたら女性が性的暴行されて殺されるという痛ましい事件が連続発生。
刑事たちは異常な犯人を捕まえることができるのか、高い評価を受けたスペインの犯罪ミステリー。

ローマ法王来訪が間近に迫った2011年のマドリード。
老いた女性が2人が性的暴行を受けた上に殺されるという残忍な事件が立て続けに発生。

対照的な刑事コンビ、吃音に悩む論理的なベランデと荒っぽいアルファロは捜査に取り組むが第3の事件もおきる。
やがて捜査陣は上司からローマ法王来訪に影響しないよう、これらの事件をただの殺人事件に装へと命じられ憤るが、それでもベラルデとアルファロは犯人を負い続ける

「ゴッド・セイブ・アス マドリード連続老女殺人事件」を観た感想

日本の犯罪では老女が襲われることは殆どなく、幼女や少女が襲われることを考えたら老女の方が老い先短いし犯人はまだ良心的のように思えてしまっていたが、実際に映画の作品内で老女が襲われる様子が描かれるとかなり怖かった。。

そしてそんなことを思った自分を不謹慎に感じつつも、でもやはり幼女や少女よりかはまだマシなのではないかなって思ってしまう。

先の長い人生で、殺されずに生き残った場合そのトラウマは付いて回るし、殺されてしまっても少子化問題から貴重な子どもがこの世から消えることを考えると…やはり老女の方がまだ同じ女性としては痛ましさは変わらないけれども第三者的にはまだまとものように感じてしまった。

結局犯人は誰でも推測出来そうなプロファイリングで母親と特別な関係にあり、母親と同じ世代の女性を憎んでいるという分析。

実際母親のことは懸命に介護をして、子どもや女性や動物や周囲の人にも優しく接していて、とてもそんなようなことをするような人間に見えない人物が犯人だった。

子どもの頃から母親も含めて教会にも通っていた信心深い信者のようにも感じ。。

結局母親が死んでからは3年後に犯人はベランデ刑事の手で逮捕される感じで話は終わるが。

逮捕に至る3年前に、犯人が特定される流れでアルファロ刑事は犯人が現場に残した教会から渡されるペンダントを拾いに来たところに遭遇して揉み合った末に殺されてしまう。

この作品の中での個人的疑問は、何故ローマ法王来訪を映画内に盛り込むのかなぁとか。。
ローマ法王が来日するからそんな記事を新聞に掲載させれないからとかそういう流れにするためにローマ法王の流れが必要だったのかなとか。

あと犯人が落としたペンダントを教会に持って行き、持ち主を聞く流れで当時の担当の神父さんが、彼の母親は教師で彼とは特に特別な関係だったと話していたのが、具体的に聞きたかった。

レイプされて殺された老女によってはお尻に包丁で刺された遺体もあり、かなり内容は残酷(それに関しての描写は結構ぼかして描き方で韓国映画とかと比べると詳細には描かれていない)

犯人を追い詰めた刑事が吃音になった原因が母親から殴られてという発言もあるように、子どもにとって母親との関係性は大人になってまで影響するものなのかなと感じる。

あと、犯罪とは関係ないけれども、もう1人の刑事がクビになった際に家に帰ったら奥さんが男の人を連れ込んでいて…犬を連れて別の家で暮らすも留守をしている間に犬も死んでしまうという描写がある。

殺された老女の人にも昔は旦那さんがいて、先に亡くなるのはしょうがないと犯人との会話で話していた。

2人の刑事が解雇されるくだりの時に上司が吃音の刑事に「お前は独り身だから自殺されたら困るから家まで送ろうか」などと言われるシーンがあるが、この映画を観ると家族がいようが1人だろうが、子どもが老後の面倒を見てくれていようが、どの家も何一つ誰一人幸せそうな人はいないという気持ちにさせられた。

幸せの定義ってなんだろうな…。

あと自分だけは犯罪に巻き込まれないっていう思考も良くなければ、「羊の木」の映画の感想でも書いたように、見た目だけでは分からない悪人もいるということだ。

良い人過ぎる人ほど気をつける、用心をする、肩書きがあるから大丈夫などという先入観の気持ちを捨て去ることを忘れることも改めて実感した映画。

おススメかと言われたら、普通のハリウッド映画のような刺激を求める人にはおススメしない作品。

かなり淡々と話が流れので何気なく観るにはとても観やすい映画ではあると思う。

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