「見えない違い─私はアスペルガー」購入して良かった!感想と影響されたところ

発達障害の診断を受けた直後に、病院の先生から「発達障害の本が沢山あるので試しに読んで勉強してみてください」と言われて探している時に、何冊か読んだ中で特に個人的に参考になった作品が

こちらの「見えない違い─私はアスペルガー」の本です。

「見えない違い─私はアスペルガー」とは

この本は日本では2018年8月に出版され、原作はアスペルガー症候群に悩む当事者ジュリー・ダシェさんによる体験談及びアドバイスなどが描かれています。

フランスではベストセラーになった本らしいです。

本の中身はこのように漫画で描かれており、イラストもとても可愛くて読みやすいです。

お値段が¥2,200と結構お高目のため、最初は図書館で借りたいと思っていたのですが私の家の近くの図書館には置いておらず、最初は少し購入して失敗したらどうしようと迷っていましたが最終的に読み終わった今は手元にずっと置いておきたいと思える一冊になりました。

「見えない違い─私はアスペルガー」読んだ感想

アスペルガー症候群の人を「アスピ―」と言うらしいのですが、アスピーの人たちの気持ちがとても上手にイラストで分かりやすく描かれているように思えました。

職場がどれほどアスペ―の人たちにとってストレスを感じる場所なのか、理解してくれない人たちの何気ない言葉にどれほど傷付くのかなど。

他人からの何気ないアドバイスや言葉にも真剣に受け止めてしまって考えて悩んで、少しでも改善しようと自分自身でも思うのですがやっぱり上手くいかなくて・・・。

マグリッドには恋人がいるのですが、その恋人とのやり取りの描写も凄く分かり易いと思いました。

恋人の何気ない冗談をマグリッドが真剣に受け止めてしまい、恋人が「冗談だろ」と言うのですがマグリッドには何故冗談を言うのかが分からないなどもアスピーの人が読むと納得することが多いと思います。

女性のアスピーの人たちは”どうにか普通の人と同じようにならなければ”と努力をすることもあり、結構分かりにくいそうです。

実際私自身も昔から他人に少しでも変わっていると言われたら、何故そのように思ったのかなどを詳しく聞いて直すようにしたり、他の人を観察していかに変わっていると思われないか努力をしてきました。

そういうこともあり、実際は苦痛でもマグリッドよりは働いていたとき、もう少し上手に演じれていたと思いますが・・・結局は演技は演技でしかないので、とても疲れてしまって定期的に体調を壊してしまうことは何度もありました。

ならば演技をやめれば良いのではないかという声も聞こえてきそうですが、病院の先生やネットや本の中ではアスピーの人のことを『個性』という言葉で片付けられていますが、日本は目立つと叩かれてしまう文化であり、いかにみんなと同じであるかに重点を置くため『個性的な人』、中でも女性が多い職場では虐めの対象になります。

余計に苦しむのは当事者本人なのです。

マグリッドも同性の人たちから陰口を叩かれたり、上司から呼び出される描写があります。

作品の中盤でマグリッドは恋人と喧嘩をしてしまい、職場でのことや友人のことなど様々なことが積み重なってネットで検索をして”アスペルガー症候群”に辿りつき、早速高名な心理学者に予約を取って会いに行きますが、アスペルガー症候群ではないと言われてしまいます。

実際に私自身もまだ発達障害という言葉がここまで世の中に浸透していなかった時に、初めて行った精神科での診断は”統合失調症”でした。

マグリッドはその後も色々とアスペルガー症候群についての本を買って勉強をして、自閉症情報センターの予約を取り、色々なテストを受け「正真正銘のアスペルガー症候群」という診断を受けます。

診断を受けてからマグリッドは

「当たり前じゃないことが当たり前だと認められた」

事実を喜びますが、友達や恋人に言っても理解を得ることはできません。

最終的にマグリッドは恋人とも別れて、自分らしく生きられる方法を見つけていきます。

私自身も読み終わった後に、どのようにしたらマグリッドのように自分らしく生きられるかを真剣に考えさせられました。

というのも発達障害の人あるあるだと思うのですが、とにかく私自身もなのですが無理を直ぐに疲れて寝込んでしまい、日によっては日常生活もまともに送れなくなってしまうほどです。

その消耗エネルギーをスプーンに例えたのが、作品内でも登場するクリスティーン・ミゼランディーノ氏の”スプーン理論”です。

スプーン理論とは

その消耗エネルギーをスプーンに例えたのが、クリスティーン・ミゼランディーノ氏考案の”スプーン理論”です。

作品内でマグリッドはこのように言っています。

普通の人が際限なくスプーンを使えるのに対し、

マグリッドは12杯分しか使えません

このスプーン理論を知った時に、自分自身の疲労度もスプーンに例えて計算してみようと思ってネットを探した時に見つけたのがこちらの画像です。

どのサイトから拾ってきたのか思いだせないのですが、もし良かったら参考にしてみてください。

マグリッドのスプーン理論の計算にしても、この画像にしてもそれぞれ人によって微妙にスプーンの使用本数は異なるように思えるので、自分自身のスプーン理論を作成するのが個人的には良いように思えました。

スプーン理論以外に影響された箇所は、”アスペルガー症候群のためのサバイバルキッド”

マグリッドは

”アスペルガー症候群のためのサバイバルキッド”

「遮光マスク」「耳栓」

「防音ヘッドホン」

「柔らかい素材のゆったりした服」 

と書いていたのですが、読んだ後にメンタルが不安定になったりしたときに「耳栓」や「遮光マスク」などを試すとかなり気持ちが落ち着くことに気付きました!

外に出掛ける時も音楽プレイヤー持参はいつもなのですが、耳栓を持っていくとイザという時にとても良かったです。

この本を読んで一番良かったことは「私だけじゃなかった」というところです。

私だけが変なのかな?私だけどうして?という気持ちが救われるのと、夫にも読んでもらったのですが私がどういうことに困っていて、どういうことが苦手で、どういうことに苦しんでいるのかなども理解してもらえました。

読んでもらってからは、前以上に無理をしないようにと、休むようにとの声をかけてもらっています。

他にも本の中にはアスピーさんのためになる情報が詰まっているので、是非読んで欲しいです。

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