2018年5~9月に熱中症で救急搬送された人の数は、前年同期間に比べて約4万2千人増え、約9万5千人にものぼっています。
熱中症を起こす大きな原因は体内の水分不足(脱水)によるものです。
正しい水分補給を行ない、熱中症対策に役立ててください。
目次
体と水の関係
1.毎日2.5ℓの水分が体外へ出ています
1日に体から失われる水分量はおよそ2.5ℓです。
そのうち、尿や便、汗として体外へ出る量は約2.2ℓ。
残りの約0.3ℓは不感蒸泄とよばれる呼吸や皮膚から意識せずに失われる水分です。
2.体重の2%の脱水で熱中症の症状が出ます
水分の摂取量より排出量が多くなると脱水症になります。
体重の1~2%の水分を失うと軽度の脱水症がみられ、2%以上になると、人によってはめまいやふらつきなどの症状が現れることもあります。
3.1日に1~1.5ℓの水分を目安に補給
毎日体外に排泄される約2.5ℓの水分を補給しないと体内は水分不足になります。
通常、体内で作られる代謝水が約0.3ℓ、食事から約1ℓ補えるので、残りの1~1.5ℓを飲料水で補給する必要があります。
4.脱水症状や熱中症に気を付けるべき時期は年2回
脱水症は夏に起こるものという印象が強いですが、夏以外にもう一つピークがあります。
それは寒い乾燥した時期で、風邪やインフルエンザなどが原因の発熱や下痢などによる脱水症です。
脱水症状のサイン!覚えておいて意識して気を付けよう
1.体調が悪い
体調がなんとなく悪い、集中力がない、体がだるい、口の中が粘々する、頭が重いなど、いつもと違った症状があるときは、脱水症状が始まっている可能性があるので、こまめに水分補給を行い、意識して気を付けてください。
2.尿の色が濃い
通常、尿の色は淡い黄色をしています。
ところが体内の水分が減ると、尿を作る働きをする腎臓で水の再吸収が促進されるため、濃い黄色の尿になります。
起床時の尿が濃いのもそのためです。
トイレに行って尿の色が濃いと思ったら、脱水症状が始まっている可能性があるので、こまめに水分補給を行い、意識して気を付けてください。
3.喉が渇く
生命の維持に関わる水分の減少は人体にとって危機です。
危機を感じとった体は警報を鳴らして私たちに知らせます。
その一つが喉の渇きです。
喉が渇いたなと思った時は既に脱水症状が始まっているので、こまめに水分補給を行い、意識して気を付けてください。
体が発する警報を無視してはいけません。
引用元:class A Life 2019 7月号より