目次
あらすじ
平安時代末期、飢饉よって屍が累々と横たわり、ある者達は人を殺して人肉を貪り食らっていた。その一人である妊娠した狂女は、やがて赤ん坊を産み落とす。狂女は「アシュラ」と名付けたその子を可愛がるが、やがて空腹に耐えかね焼いて食おうとする。その時、落雷によってアシュラは川に押し流され、岸に辿り着くも誰にも育てられないまま獣同然に生き抜く。ある時、人狩りに捕まり連れていかれた先で人間としての生活、仲間、愛情を知るが、生みの親と出会ったことで凄惨な出生の秘密、自分が決して家族との生活を過ごせないことを知り苦悩する。そして、その地に見切りをつけたアシュラは、自分を慕う孤児達を引き連れ都を目指す。
観終わった感想
かなり昔に佐々木希さんが「アシュラ」の漫画を読んでいるとインタビューで答えていて、凄く気になっていた作品です。
考えさせられる内容と言うべきなのでしょうか。
生きるために人肉を食べても良いのか否か・・・人食い人種のお話を思い出します。
人食い人種に殉教者が問うのです「何故人を食べるのですか?」
人食い人種はこう答えました「我々は人しか食わない。お前たちは動物や魚や色んなものを食べているではないか。我々より質が悪い」
とまではいかなくても、生きるために何を食べるかは自由なのではないのかと思ってしまいました。
人を食べてはいけないのは理性があるから抑えているのであり、食べれるものなら食べて生き残りたい。
カニバリズムの本にも書いてありましたが、雪山で遭難した時に人肉を食べて生き残った人たちは、生き残った後でもその時に食べた人肉の味を忘れられずまた食べたいと思うそうです。
生きるためにどうするか、そのために今の私たちも動物を殺して食べているのではないのかとも考えさせられます。
その動物や野菜や食べるものがなくなったら・・・絶対に人を食べる者は出てくるはずなんです。
弱気ものに優しく出来る人は、余裕があるからなのでしょうね。
余裕がない中でどれほど人に優しく出来るかが人をはかる大きな部分だと私は思いました。
人間というものを非常に表している映画だなぁって・・・。
本当に追い詰められた時にどのような言動を取るか、そこでその人の力量などが決まるような気がします。
自己啓発本?スピリチュアル本?などを読んでも、自分を一番に愛して大事にするようにとの言葉をよく目にする気がします。
それは自分を甘やかして周囲を困らせるような我儘になれと言っているのではなく、周囲の人に優しく思い遣りのある言動を取るためには、まずは自分が満たされて余裕がないと出来ないからだと言うことです。
自分に余裕がなかったとしても、周囲の人に思い遣りをもって接せられるような人間になりたいとも思わされました(多分なかなか簡単に出来ることではないと思いますが)
仲良き周囲の人たちにも是非薦めたい映画です。